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クレアの説明を聞いて、キースの助言はさんざんキリナに言われたからなんだとエイミーは納得した。
『俺だ。そろそろバジュラたちのいる宙域に到着する。もう一度確認するが、俺たちの目的は偵察だ。相手との一定の距離は保ちつつ、絶対にこちらからは手を出すなよ』
キリナからの通信を受け、パイロットたちの操縦する手にも力が入る。
「あれが…バジュラ?」
エイミーが呻くようにコックピットのモニターに映し出された初めて見る甲冑を身に纏った大型の生物に驚きながら、一つ大きく息を吐くと心を落ち着かせる。
「みんなあんなのと戦ってたんだね。本当、うちの船団は平和だったんだ」
「平和が一番だよ。フロンティアもバジュラたちが来るまでは平和だったんだけどね。私も初めて見たときは本当に怖くて…でも何だかこのバジュラたち…」
そこまで言いかけてクレアがじっとモニターを見てから、肉眼でバジュラの姿を見ようと前に視点を転じる。
「気になることがあるの?」
「うん、私がそう感じるだけかも知れないんだけど」
そう前置きしてからクレアが説明しようとした時、ジュンからの通信が入る。
『バジュラを発見!』
コックピット内は一気に警戒モードになった。
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