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「やる訳ねえだろ。バカかお前」
「まあまあ、そんな事言わずに。それにもちろん、タダでくれって訳じゃない」
「へえ、何をくれるんだ。言っとくが金では売らねえぞ。俺の労力に見合うもん持ってんだろうな」
金、持ってなさそうだしなあ。
「あーいや、残念ながら私は放蕩者でね。価値のある物はほとんど持ちあわせてないんだ」
「なんだそりゃ。話にならねえ。じゃあ一体何で取引するつもりだったんだよ」
「そうだねえ…。この辺りのキノコ群生地の情報とか」
く…くだらねえ…。
「いらん」
「私の着けているペンダントとか」
「いらん」
「呪いを解く方法とか」
俺は妖精猫の首元に刀を突き付けた。
「てめえ何モンだ」
妖精猫が口を開く。
「怖いね、君は。闇のような眼をしている」
「だまれ。質問に答えろ」
「不幸を背負い込みすぎだ。もう少し気楽に生きた方がいい。君が呪い人なのは、君の所為じゃない」
だまれ。
お前に何が解る。
「答える気が無いなら殺す。魚を奪いに来たんじゃないなら、俺が目的だろう」
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