白の章 Ⅰ

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「やる訳ねえだろ。バカかお前」 「まあまあ、そんな事言わずに。それにもちろん、タダでくれって訳じゃない」 「へえ、何をくれるんだ。言っとくが金では売らねえぞ。俺の労力に見合うもん持ってんだろうな」 金、持ってなさそうだしなあ。 「あーいや、残念ながら私は放蕩者でね。価値のある物はほとんど持ちあわせてないんだ」 「なんだそりゃ。話にならねえ。じゃあ一体何で取引するつもりだったんだよ」 「そうだねえ…。この辺りのキノコ群生地の情報とか」 く…くだらねえ…。 「いらん」 「私の着けているペンダントとか」 「いらん」 「呪いを解く方法とか」 俺は妖精猫の首元に刀を突き付けた。 「てめえ何モンだ」 妖精猫が口を開く。 「怖いね、君は。闇のような眼をしている」 「だまれ。質問に答えろ」 「不幸を背負い込みすぎだ。もう少し気楽に生きた方がいい。君が呪い人なのは、君の所為じゃない」 だまれ。 お前に何が解る。 「答える気が無いなら殺す。魚を奪いに来たんじゃないなら、俺が目的だろう」
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