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この手の輩は、少なくない。
呪い人のからだには、魔力が宿ると信じられている。目は触媒に、髪は結界に、臓物は不老不死の妙薬になると。
俺たちが一つどころに留まらないのは、そういった理由もある。人を殺してでも、手に入れたい力があるのだろう。いや、人間として見られているのかどうか。
「大分警戒されてるなあ…。無理もないか。わかったわかった、まずは話そう」
カイト。
カイト・キャシディ。奴はそう言った。
「ここに居たのは本当に偶然さ。言ったことに嘘はないよ。君がたまたま呪い人だっただけだ」
「それで?呪いの解き方なんて適当な事を言って、俺をハメようとしたのはどう言うこった」
刀はまだ収めない。
「正直言うと、まだ確実ではないのだけれどね。実は私、これでも求道者でね。特に」
呪い人について調べている。と、にこやかな笑顔で言う。
「…やっぱり馬鹿だな。そんな奴がどの世界にいる。なんの得にもならない」
「まあ、あまり理解は得られていないけどねえ。一応それっぽい理由もあるのだけど」
「理由?」
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