白の章 Ⅰ

5/8

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
この手の輩は、少なくない。 呪い人のからだには、魔力が宿ると信じられている。目は触媒に、髪は結界に、臓物は不老不死の妙薬になると。 俺たちが一つどころに留まらないのは、そういった理由もある。人を殺してでも、手に入れたい力があるのだろう。いや、人間として見られているのかどうか。 「大分警戒されてるなあ…。無理もないか。わかったわかった、まずは話そう」 カイト。 カイト・キャシディ。奴はそう言った。 「ここに居たのは本当に偶然さ。言ったことに嘘はないよ。君がたまたま呪い人だっただけだ」 「それで?呪いの解き方なんて適当な事を言って、俺をハメようとしたのはどう言うこった」 刀はまだ収めない。 「正直言うと、まだ確実ではないのだけれどね。実は私、これでも求道者でね。特に」 呪い人について調べている。と、にこやかな笑顔で言う。 「…やっぱり馬鹿だな。そんな奴がどの世界にいる。なんの得にもならない」 「まあ、あまり理解は得られていないけどねえ。一応それっぽい理由もあるのだけど」 「理由?」
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加