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奴の言う理由はこうだった。
呪い人の研究をしている内、身寄りのない呪われた子供を目にする機会が増えた。
そのうちに放って置けなくなり、友人と孤児院を始める。
友人には子供達の保護を頼み、自分は子供達の呪いを解く方法を探し、ようやくあと一歩のところまで辿り着いているのだと。
胡散臭い事この上ない口上だ。
普通ならこのままぶった斬る所だが…。
「…一応、聞いといてやる。あんたの見つけたその方法とやら、一体どんな事をすりゃいい」
自分ではとうに諦めきったつもりでいた。
どこから始まったのか。
いつから続いているのか。
誰も治せず、誰も触れず、ただ人々の悪意だけを受け続けるこの呪いを解く、などと。
そんな馬鹿な事を言う奴に、少しだけ期待したのかもしれない。
でたらめでも、慰みにはなる。
「そうか。それじゃあ君は、私と一緒に来なければいけないな」
「はあ?」
「解きたいんだろ?呪い」
この馬鹿は、何を言いだすかと思えば。
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