白の章 Ⅱ

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「言われなくてもわかってるよ!」 一気に駆け出す。次の瞬間には、山小屋は瓦礫に姿を変えていた。 「クッソ、なんでこんな事に!おいカイト、テメエの所為だからな!」 「えー。君が下らないトークでお茶を濁してたのがいけなかったと思うね私は。なんだいまじかる☆タルるーとくんて。世界観台無しじゃないか」 「最初に言い出したのはテメエだろうが!」 世界観とかあったのかこの作品。 「待て待て、全力疾走しながらこれはきつい。取り敢えず、あそこに隠れよう」 カイトが指差す先には大きな岩。隠れるには心許ないが、このまま走り続けてもジリ貧か。 「二人収まるにゃちときついな。おいカイト、お前おとりな」 「やだよ。そんなのヒジリがやるべきだ。年寄りを敬いたまへ」 「んだとコラ、って来てる来てる!クソ、仕方ねえな!」 奴は単眼だ。ならば。 「左右に分かれて、岩陰で合流だ」 「了解!」 呼吸を合わせ、散開する。 竜が一瞬戸惑い脚を止める。そのお陰で、なんとか身を潜める事に成功した。カイトも、上手くこちらに来れたようだ。 「どうだ、奴の様子は」 「見失ってくれたみたいだね。周囲を見渡してる。だけど、空でも飛ばれたら一瞬で見つかるね、これ」
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