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「言われなくてもわかってるよ!」
一気に駆け出す。次の瞬間には、山小屋は瓦礫に姿を変えていた。
「クッソ、なんでこんな事に!おいカイト、テメエの所為だからな!」
「えー。君が下らないトークでお茶を濁してたのがいけなかったと思うね私は。なんだいまじかる☆タルるーとくんて。世界観台無しじゃないか」
「最初に言い出したのはテメエだろうが!」
世界観とかあったのかこの作品。
「待て待て、全力疾走しながらこれはきつい。取り敢えず、あそこに隠れよう」
カイトが指差す先には大きな岩。隠れるには心許ないが、このまま走り続けてもジリ貧か。
「二人収まるにゃちときついな。おいカイト、お前おとりな」
「やだよ。そんなのヒジリがやるべきだ。年寄りを敬いたまへ」
「んだとコラ、って来てる来てる!クソ、仕方ねえな!」
奴は単眼だ。ならば。
「左右に分かれて、岩陰で合流だ」
「了解!」
呼吸を合わせ、散開する。
竜が一瞬戸惑い脚を止める。そのお陰で、なんとか身を潜める事に成功した。カイトも、上手くこちらに来れたようだ。
「どうだ、奴の様子は」
「見失ってくれたみたいだね。周囲を見渡してる。だけど、空でも飛ばれたら一瞬で見つかるね、これ」
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