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「カイト、お前は何にも解ってない」
「と言うと?」
「こいつと俺は、もう戦友(ライバル)さ。理由はどうあれ、命を掛けて闘ったんだ。決着はつけなきゃいけねえ」
どうだ、俺だってそれっぽい事は言えるんだぜ。
「あー、すごいそれっぽい。じゃあ本音を聞こうか」
ふん、そんなもん決まってる。
「こんな金になりそうな獲物逃すわきゃねえだろ!生皮剥いで爪の一欠片まで売り払ってやるぁ!」
斬って斬って斬り尽くす!往生せいやクソコウモリ!
「君も相当タチ悪いよね」
カイトが何か言った気がしたが、そんな事は気にせず俺は必殺の一撃を繰り出す。じゃあな一ツ目、俺の為に死ね!
「あーもー、あたしのファフニールちゃんになんて事すんのよ」
俺の一撃は、確かに邪竜を仕留めたはずだった。
刃が奴の首に届こうとした刹那、ぴたりと止まったのだ。いや、理解したくは無いが、止められた。
突然現れた少女に、指一本で止められたのだ。
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