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「まあいい、一先ず置いといてやる。んで、なんでその月姫はお前を殺そうとしてたんだ」
「それについては、話すと長くなる。取り敢えず、何処かで宿を取らないか?私は夜行性なんだ」
そういえば、すっかり朝になっている。酒場を出てから一睡もしていないのか。
「そうだな…流石に今日は疲れた。よし、折角ならいい所を取ろうぜ。お前の奢りで」
「君はもう少し、ストーリーをシリアスにしようと言う気はないのかね」
「お前が言うか」
___
その日の夕方。カイトは消えていた。
長い置き手紙と、ペンダントを残して。
「ふざけんなよ…」
今更置き去りかよ。そりゃないぜ。
オマケに、手紙の内容だ。ふざけてるとしか言えない。こんな事を、俺にやれってのか?
「あんの野郎、次会ったらブッ殺す」
しかし、これから先、俺とカイトが再開する事は二度と無かった。
我が儘で、自分勝手で、他人任せで、大馬鹿で。
お人好しな、妖精猫。
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