白の章 Ⅱ

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ーカイトの手紙ー ヒジリ、残念だが聖域行きはお預けだ。 私から誘っておいて、本当に済まないと思っている。 お詫び、と言ってはなんだが、私が調べた呪い人のすべてと、昨日話せなかった月姫との関係も記しておこうと思う。 これを読んだ君がどうするかは自由だ。無視してくれても構わない。だが、私は君に希望を託したいと思う。 これは、世界の存亡を賭けた物語だ。 ___ 呪い人について 君に言うのは今更だが、呪い人は不死だ。 正確には、蘇る。いや、黄泉返ると言った方が正しいかも知れない。 君達呪い人は、首を切り離されても、心臓を潰されても、しばらくすれば黄泉返る。時間は掛かるが、燃やされ灰に成ろうとも復活する。 呪い人が忌諱されるのも、その辺りに原因があるのだろう。死んで埋めた筈の人間が、何度でも黄泉返るのだ。しかも、本人の意思とは無関係に。 要は、健康な肉体と、理性を持ったゾンビみたいなものだ。 それ以外は、普通の人間と何も変わらない。歳も取るし、老衰で死んだりもする。 呪い人は死んだ後一旦崩壊し、一定の年齢で復活する。これは人によって違い、法則については解っていない。 問題は復活した後。本人の記憶は、全て無くなる。
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