白の章 Ⅱ

19/21

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
始まりは二十年前。私がまだ、イケイケの20代だった頃の話だ。いやほんとに。 伝聞や噂話で聞いた事はあると思うが、二十年前、月姫カグヤは地上を滅ぼそうとした。原因は、親子喧嘩。 下らないと思うかもしれないけれど、割と洒落にならないレベルで世界滅亡の危機だったんだ。彼女の力は見たろう?あの魔力を本気で開放して地上を焼き尽くそうとしていた。 結果、太陽王デュランが月姫の魔力を封印し、地上の平和はひとまず保たれた。その時、王と一緒に戦ったのが私とアクセル、そして私の妻、戦姫カグラ。彼女はその時、月姫の魔術を止める代償に石となってしまった。 しかし、彼女は昨日、現れた。太陽王が倒れたのだ。 これからの話は、私を含め極一部の人しか知らない真実だ。出来ればあまり、広めないでいて欲しい。 現国王の太陽王デュラン。月姫カグヤ。戦姫カグラ。この三人は、呪い人だ。 それも、ただの呪い人じゃない。正真正銘の不老不死だよ。 私が呪い人の研究を始めた最初の理由は、カグラの呪いを解いてあげたかったからだ。 彼女はいつも死にたがっていた。戦いに明け暮れ、自分を打ち倒してくれる者を待ち焦がれていた。 彼女と私の出会いに付いては割愛しよう。のろけ話で千文字超えてしまう。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加