白の章 Ⅱ

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さて、君に託したいと思うのは、この月姫の事だ。 ヒジリ、彼女を止めろ。 月姫は妄執に囚われている。王が倒れ、彼女はその力を取り戻した。そして彼女が私を殺そうと現れたという事は、まだ諦めていないと言う事だろう。 世界を滅ぼす。自分が嫌いなものなんていらない。二十年前、彼女はそう言っていた。 このペンダントを君に預ける。いにしえの禁術以外なら、範囲内で発動した全ての魔術を無効化する神器だ。諸刃の剣だが、君の戦闘スタイルなら使いこなせるはすだ。 私は急ぎ聖域に向かう。呪いの原因が聖域にあるならば、彼女の不死を解くすべも其処にあるはずだ。 ヒジリ、君は先ず、孤児院に居るアクセルを訪ねろ。そのペンダントを持っていれば、話を聞いてくれる筈だ。彼は正直チートキャラだ、きっと強力な仲間になってくれると思う。 一緒にいる私の息子にも協力してもらうといい。彼も君と同じで中々友人が出来なくてね。友達になってくれると、私も嬉しい。 共に戦ってやれない私を許して欲しい。本音を言うと、私は彼女が苦手なのだ。徹底的に馬が合わない。 彼女は超かまってちゃんのメンヘラだが、君ならばなんとか出来ると私は信じている。ひねくれ者同士相性がいいかもしれないゾ。 では、私は行く。ヒジリ、また会おう! ーあなたのカイトよりー
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