騎士の章 Ⅰ

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迂闊だった。 この国がここまで腐敗していた事に気付けなかった、私のミスだ。 私達が孤児院を出発してから三日後。城門で待ち受けていたのは武装した聖騎士の一団と、ヴィクトリア王国宰相、ロズウェル・フレスベルク。 私達は反逆者として捕らえられ、地下牢に閉じ込められていた。 「おいクリス」 「申し訳ありません」 隣の部屋なので表情は判らないが、多分睨んでる。こわい。 「申し訳ありませんじゃねえよ、なーんでこんな事になってんだ。お前って本当、見た目以外ポンコツだよな。クロウが知ったら泣くぞ」 「だってだって、こんな急に情勢が変わるなんて思いませんでしたもの。ロズウェルの奴、まさか聖騎士団まで掌握してるなんて」 「お前ん家の情報網ならそれぐらい掴んでてもいいはずなんだがな。どうせ碌に議会にも参加してなかったんだろう」 「…だってめんどくさいんだもん」 「お前今なんつった」 「いえ」 聞かなかった事にして下さい。 「しかしライデル家の人間まで牢獄行きたあ、認めたくねえが、デュランが倒れたってのは本当らしいな」 「ええ。団長をお呼びしたのはその為です。陛下が意識を失い、城内は大混乱に陥りました。ロズウェルはそれに乗じて執政官を名乗り、王政への反乱を企てていたのです」
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