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「…あれ、もしかしてジャンヌ?」
「もしかしなくてもそうよ。貴女、地下牢抜け出して来ちゃったの?無鉄砲な」
短く刈りそろえた、まばゆい金色の髪が特徴的な女の子、王国魔剣士のジャンヌ。彼女とは長い友人だ。
「調度良かったー。ねえ、武器を貸して欲しいの。お願い!」
「あんた、自分の立場解ってる?あたし達、あんたらが逃げ出さないように見張ってろって言われてるんだけど」
「それなら、私よりアクセル団長を気にかけるべきだったわね。あの人、先に行っちゃったわよ」
「うそお。うあー、大目玉だよ。ロズウェルのジジイに殺されちゃうよ」
ジャンヌが頭を抱える。
「そうだ、それが気になってたのよ。貴女達、なんでロズウェルなんかの言いなりになってる訳?私が城を出た時には、奴の派閥なんて数えるほどしか居なかったじゃない」
「それがさあ、聞いてよ。ってここじゃまずいわね。クリス、私達の部屋へ行こう。昔懐かし戦乙女(ワルキューレ)兵舎だよ」
「わっ、ちょっと」
強引に手を引かれ、私はジャンヌに連れて行かれた。
そういえば、団長は何処へ行ったのかしら。
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