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「わー、クリスじゃん。久しぶりいー。何年ぶりだっけ」
「おやクリス!大きくなって。でも相変わらず色気はないのねえ」
「あはは…お久しぶりです」
戦乙女の兵舎。通称「百合の花園」。魔力の素質を持つ女性を募り、立派な魔剣士に育成する為の養兵所だ。私が十六歳まで過ごした古巣でもある。砕いて言うと女子校みたいなものか。
「こいつさあ、ロズウェルの奴に目つけられちゃって。暫く匿ってあげても良いでしょ?」
「うわおー、最悪だねー。折角聖騎士団で頑張ってたのにねー。いつまでもいればいいよ、寧ろ戻ってきなよ」
「そうだよ、あんたの好きな豚の丸焼きも沢山あるからね。またあの食いっぷりを見せておくれよ」
「もうミラルダさん!掘り返さないで下さい!」
同期のフレイと、教練係のミラルダさん。
フレイは相変わらず、力が抜ける喋り方をする。ジャンヌと一緒に教官になったと聞いたけれど、大丈夫なのかしら。
ミラルダさんも変わらず良い恰幅をしている。その太腕に何度小突かれた事か…まあ、そのお陰で私は聖騎士になれた様なものなのだ。感謝せねば。
って、感傷に浸ってる場合じゃないぞ私。ロズウェルの事を聞かないと。
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