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「で、ジャンヌ。さっきの話なんだけれど」
「ああ、そうだったわね。あんたが色ボケかましてアクセル神父迎えに行ってる間、大変な事になってたんだから」
色ボケって。私はそんなつもりじゃないし。つーかなんでバレてんのよ。
「誤解しないでよ。そんなんじゃないから…。大変な事って何よ」
少し拗ねながらジャンヌに先を促す。
「あんたが城を出たのが、確か一週間くらい前よね。ホントにその次の日くらいだったかしら、あのジジイ、証文を持ち出して来てさ」
「証文?誰の」
ジャンヌの答えは、予想だにしないものだった。
「それがそれが、まさかのカグヤ姫様よ。何て書いてあったと思う?[王家の執政権限をロズウェル・フレスベルク宰相に委託する]だってさ!」
「まさか!偽物に決まってる。そもそも姫様は継承権を破棄なされているでしょう?認められる筈ないわ」
「そりゃみんな疑ったよ。けれど御丁寧に、太陽印の封蝋まで見せびらかして。それに、権利がないと言ってもカグヤ様は今や唯一の王家の血筋よ。その意向を無視なんて出来るわけ無いじゃない」
「それはそうだけど…信じられる訳ないわ。あの聡明な姫様がロズウェルなんかに…」
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