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「事実なんだから仕方ないじゃない。お陰で派閥争いはゴマスリ戦争に大発展、どうにか美味しい思いをしたい奴らで足の引っ張り合い。皆ロズウェルの言いなりよ」
「納得いかないけれど…。この状況なら信じるしかなさそうね。分かった、ありがと」
皆に一礼し、踵を返す。
「ちょっとクリス、何処に行く気よ」
「ロズウェルの所よ。いくら宰相だからってあんなのの好きにされて黙ってられるもんですか」
「あんた、あたしの話聞いてた?無駄だよ、もう次期執政官は決まったようなものだって」
「そんなの私に関係ないわ」
直接問いただしてやるんだから。
「待ちな!」
兵舎を出ようとした私の前に、歴戦の戦乙女が立ち塞がる。
…物理的な意味で。昔より大きくなってませんか、ミラルダさん。
「ミラルダさん、止めないで下さい!」
納得の出来ない事をそのままにしておける程私は大人じゃない。悪いけれど、貴女を倒してでも行かせてもらいますよ!
「誰も止めるなんていってないよ。早とちりな子だねえ」
「へっ」
「ほら、あんたの武器だ」
ミラルダさんはそう言うと、身の丈程もある大剣を私に放り投げた。
「こ、これって」
「好きだったろ、これ系ぶん回すの。あんた昔からそういうのが似合ってるんだ、色気がないから」
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