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そう言ってロズウェルは下卑た笑い声を上げる。
「ロズウェル、貴方の目的なんてどうでもいいわ。それより貴方、何処で偽造したか知らないけれど、姫様の証文を持ち出して好き勝手にやってくれたそうね!」
「ぎ・ぞ・う?うひゃひゃ、とんでもない!あれは紛れもなくカグヤ姫自らがお書きになられた本物ですよ。なんなら証拠をお見せしましょうか?」
「あるなら出してみなさいよ!」
ロズウェルは自信たっぷりだ。でも、姫様がこんな奴に肩入れするなんてあり得ない。何処かでボロが出るはず。
「シリウス殿、出番ですぞ!」
私達を囲む聖騎士の後ろから、長身痩躯の騎士が姿を現した。あれは確か…。
「チッ、全部手前えの仕込みか、シリウス」
団長が騎士を睨む。
そうだ、姫様の空挺騎士団。一騎当千の大騎士と謳われた、月光の騎士シリウス・ヘイルシュタイン!
けれど、浮遊大陸の人達は姫様の命が無いと地上には降りてこれないはずなのに。
「まさか、そんな…」
私は唇を噛み締める。彼がロズウェルに付いているなら、姫様は本当にこんな奴に証文を…!
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