騎士の章 Ⅰ

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不老不死の魔力。 王の一族はその力を持つ。王はその大いなる力ではるか昔よりこの大国を纏め上げ、私達はそれを神の奇跡と崇めてきた。 久遠なる太陽の王、永遠なる栄光と繁栄。誰もそれを疑わなかったからこそ、王が倒れた時、城は乱れに乱れたのだ。 「私はずっとあの力に憧れていました。それに近い魔力を有する、呪い人の研究も随分しましたとも」 「だけどあやつらでは到底駄目だ。いくら犯そうが、いくら喰らおうが、私に魔力は宿らなかった。矢張り王の力とは雲泥の差だ、クソの役にも立たない。ああ忌々しい」 「そんな日々に絶望していた私に、カグヤ姫は機会を下さったのです。アクセル殿、貴方を殺せば姫の力を私に分けて下さると!」 「そしてそれは、今こそ成就する!シリウス殿が貴方がたを皆殺しにするからです!うひゃひゃひゃひゃ!さあシリウス殿、遠慮は要りません、反逆者共に死の報いを!」 「あんたって奴はぁ!」 私は激昂し、ロズウェルに斬りかかる。姫様が何と言おうが、こんな人でなしを許しておく訳には行かない! しかし、私の剣が奴に届くよりも早く、ロズウェルは背後からその身を貫かれた。 「ジリウズ殿…なじで」 声にならない声を上げて、ロズウェルが倒れる。
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