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「死ねば永遠と同じ事。約束は守ったぞ」
彼は眉一つ動かさず、剣に付いた血を払う。
「シ、シリウス殿!一体何を…!」
一人の聖騎士がシリウスに近づく。次の瞬間には、騎士の胴は鎧ごと二つに分かれていた。
「邪魔だ」
「ひいい!」
私達を包囲していた聖騎士が、蜘蛛の子を散らしたように逃走していく。
「女共、そこを退け。用が有るのはその男だけだ」
「シリウス・ヘイルシュタイン卿!貴殿程の大騎士が、何故このような…」
「退かぬなら斬り捨てる」
「くっ…」
シリウスが私達に剣先を向ける。無表情を崩してはいないが、殺気で押し潰されそうになる。
「おーおー、張り切っちゃってまあ。何の用だよ色男」
「団長!」
私達を庇うようにアクセル団長が進み出る。全然そんな雰囲気じゃないんだけど、やばい、超かっこいい。なにこの立ち姿、惚れるわ。
「ねえクリス、さっきからちょこちょこ小ネタ挟むのやめない」
「だってこんな緊迫したシナリオ私には耐えられないわ。私はもっとラブコメがしたいのよ」
「恋だねー、甘酸っぱいねー」
「あんたら若いねえ。私もあと20年…いや10年若けりゃ…」
「おまえらうるさい」
団長に怒られた。
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