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「アクセル・ハートランド、久しいな。早速で悪いが、その命貰い受けるぞ」
「穏やかじゃないねえ。理由も知らずに殺されろってか?冗談じゃないぜ」
「それが姫の願いだからだ。それ以外に理由など無い」
言うが否や、月光の騎士が団長を襲う。刃すら見えぬ瞬速の剣。それを団長は脚で払い、弾き返した。
「あっぶねえだろ!殺す気か!」
いやいや、殺す気満々でしょうあの人。
「矢張り貴様だ。地上で姫の障害になり得るのは」
「ふん、今更俺に何が出来るっつんだ。だがまあ解ったぜ。あのワガママ娘、まーだ諦めちゃいねえって事か」
「姫を侮辱するか!」
シリウスの顔が歪む。初めて見せる怒りの表情。
場を緊張が包む。
「おいクリス」
「ひゃい!」
不意に団長から声が掛かる。びっくりするからやめてほしい。
「フレイにジャンヌ、ミラルダもだ。お前ら、クロウ達の所に行ってやってくんねーか。多分結構な災難に巻き込まれてるはずだ」
「え…駄目ですよ団長!シリウス様と一人で戦われるおつもりですか!」
「お前らがいても足手纏いだ。孤児院でメシでも食って待ってろ。あいつのメシはそこそこ美味いぜ」
「しかし団長…!」
「頼むわ」
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