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「さて、邪魔者も居なくなったし。やるかい、色男」
「感謝する。無駄な屍を積み上げずに済む」
「相変わらず堅え奴だ。騎士としちゃ殊勝な心掛けだが、本気で俺に勝てると思ってんのかい」
「勝つ!貴様を倒す事こそ姫の宿願であり、私の宿願!征くぞ、竜殺しの騎士よ!」
___
一体、何がどうなってるの!?
正門を出発し、城下街から孤児院へ続く街道に入った所で、私達は魔獣の襲撃を受けていた。
「ちょっとクリス!こいつら何よ!なんで魔獣がわんさか沸いてる訳!」
「私に聞かれても知らないわよ!今までこの街道に魔獣なんて出た事無かったのに…」
それにこいつら、やけに強い。この辺りに棲息してる魔物とは桁が違う。これも王が倒れた影響?
「わーい、お馬さんだー。よーし、走れー」
「この魔獣美味そうだねえ。あとでソテーにしてみるか」
フレイはユニコーンの尻を大槌で叩き、ミラルダさんは包丁でキマイラの解体を始めている。あそこの二人には触れないでおこう。
「こんなんで孤児院まで辿り着けんのー?お腹空いてきたなあ」
「行くしかないでしょ!空腹ならミラルダさんに何か作ってもらいなさいな」
此処だけなら良いけれど、この状況が国中に拡がっているのだとしたら、確かにクロウ君には大難だわ。あそこには子供達も居るのに…。
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