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「いっけえぇっ!」
あの時渡されたツヴァイヘンダー。これじゃなければ、届かなかった。
召喚獣の肉体には必ずある、顕現の刻印。この距離じゃないと、何処にあるか見えやしない。
そして、ポンコツな私にでも出来る唯一の、召喚獣の倒し方。刻印に少しでも傷を付ければいい。
「ガアアアアアアッ!」
断末魔を上げながら、フェンリルが消えて行く。衝撃で左腕まで持って行かれちゃったけど、まあ、私にしては上々だわ。
へへっ、ざまあみろ…。
アクセル団長風。やっぱり私がやっても、様にならないなあ。
「クリス!」
あ、馬鹿ジャンヌ。何やってんのよ、後は頼んだって言ったのに。
「この大馬鹿!あんた最初からこのつもりで…!」
残念、馬鹿はあんただ。後でこてんぱんに泣かしてやる。
って、今泣いてんじゃないわよ。もーいーから、さっさと孤児院に急ぎなさい。クロウ君が美味しい御飯作ってくれるわ。
そうだ、私も行かないと。
あれ、何処に行くんだっけ。
駄目だなあ、やっぱり私、ポンコツだ。
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