騎士の章 Ⅰ

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「もうっ!うるっさいなあ!」 飛び起きた私の目に、唖然とした表情のフレイとミラルダさんが飛び込んで来た。何その顔、面白い。 「ん?」 私何時の間に寝てたんだっけ。てか、ここ何処よ。 「ジャンヌー!ジャーンヌー!」 フレイが漫画走りで飛び出していく。あの子があんなに慌てるなんて珍しいわね。何かあったのかしら。 「ク…クリス、あんた…」 「はい?なんでしょうミラルダさん」 突然の抱擁。彼女の腕が私をがっちり包む。いや、包むと言うより鯖折りかな、これは。 「良かった…、本当に、良かった…!このまま目覚めなかったら、私どうしようかと…!」 「あの、ミラルダさん、ちょっと苦しい」 「ごめんね、ごめんね、全部私が悪いんだよ。あの時、無理にでもあんたを止めときゃ良かった。あんたの性格なら、ああする事くらい分かったはずなのに。私の所為だよ、ごめんね…」 もう、何泣いてるんですか。てか、本気で痛いんですけど。駄目なやつだよこれ!死ぬ死ぬ死ぬ!マジで死ぬ! 「クリス!」 汗だくでジャンヌが飛び込んできた。なんだこいつ、泣きそうな顔して。 ジャンヌは私に近づくと、思い切り私の頬を引っ叩いた。 「この…馬鹿!」
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