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痛い。
こんなに強く叩かれたの、いつ以来だろう。
「何すんのよ…」
「うるさいバカ!もう知るか!」
ジャンヌは部屋を出て行こうとする。ちょっと待ちなさいよ、意味わかんない。
「ちよっとミラルダさん、離れてください。こら、待て馬鹿ジャンヌ…!」
追いかけようとして、気付いた。
身体が上手く動かない。歩くのが困難なくらいふらふらする。左右のバランスもおかしいぞ。どうなってるんだ。
あれ、ちょ、っと待って。
私の左足が無い。
おまけに左腕もない。肘の下あたりからすっぱり無い。
ふーむ、手も足も出ないとはこの事か。昔の人は上手い事言ったもんだ。いや、片方だけなら出るんだけれど。
「言っとる場合かー!なんだこれ!」
見事なセルフ突っ込み。いやいや冗談じゃないわ。なんでや、なんでこんな事になっとるんや。
「…あー、思い出してきたぞ」
そうだ、私フェンリルを倒して、そのまま倒れちゃったのか。確かにとれてたわ、足と腕。倒せた満足感ですっかり忘れてた。
んーでも、何故こんな所に?そうそう、そもそも此処は何処だ。謎が多すぎる。
「あのう、ミラルダさん、泣いていらっしゃる所悪いのですが」
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