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「お昼前には帰ってくるよ。無理しないで、寝室で待ってな」
「いえ、ここで」
ジャンヌが頑張っているのに、横になってる事なんて出来ない。
「ところでミラルダさん、この食材は?」
「クロウって子、よっぽど料理が好きなんだねえ。蔵に沢山仕舞ってあったよ。腐らせるのも勿体無いから使わせて貰ってる。栄養もバッチリさ、大したもんだ」
クロウ君、なんだかんだ言って子供大好きだったもんね。団長が居なくても、きちんとやってたんだ。
それだけに心配だわ。みんなを連れて、何処かに避難していると信じたいけれど…。ううん、彼だって一廉の騎士よ。きっと大丈夫。今はそう信じるしかない。
「ミラルダー、クリスー、おはようー」
重そうな荷物を抱えて、フレイがやってくる。朝から別棟に行ってたみたいだけれど、それを取りに行っていたのかしら。
フレイにも、随分心配を掛けた。彼女はマイペースを崩さないけれど、私を背負ったミラルダさんの代わりに、魔獣だらけの孤児院への道を必死で切り拓いてくれたらしい。
小柄な女の子だけど、私なんかよりよっぽど強くて、大きい。自分が恥ずかしくなるなぁ…。
「おはよう、フレイ。貴女にも随分迷惑掛けちゃったね」
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