騎士の章 Ⅰ

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「フレイ!ミラルダさん!」 いっぱいに息を吸い込んで、大きな声で二人に叫ぶ。 「ごめんなさい!私、もう後悔なんてしません!やれるだけやって、途中で死んじゃうかも知れないけれど、其れでもいい!私は馬鹿で我儘で、ポンコツな女だけど、やっぱり、真っ直ぐ進みたい!」 はぁ、はぁ、もう一息。 「だから、みんなにもっともっと迷惑掛ける!心配もさせちゃう!なんなら葬儀だってさせちゃうかも!それでも付いてきてくれる、そんな皆が私は大好きだーーー!」 うおー、恥ずかしいー!顔から火が出る! 早く、この場から離れよう! 「じゃあ私、ジャンヌと話してくるから!」 私は脱兎の如く逃げ出した。二人は心なしか、笑っていた気がする。笑われていたのかもしれないけど。 「ジャンヌ!あのね!」 「全部丸聞こえ。あんた馬っ鹿じゃないの。いや馬鹿だ。もう馬鹿通り越して一週回ってやっぱり馬鹿だ」 玄関を出てすぐの壁にもたれ掛かっていたジャンヌは、開口一番そう言った。 「うん、あたしは馬鹿だ。ジャンヌの気持ちなんて、これっぽっちも解ってなかった。ジャンヌはそんな私が嫌いかも知れない、許せないかもしれない」
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