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「だけど、あたしはジャンヌが好き!私を怒ってくれるジャンヌが好き、心配してくれるジャンヌが好き、喧嘩してる時も本当は好き、こんなに素敵な手足をくれたジャンヌが、大好き!」
ぎゅって抱き締める。こんな事が出来るのも、ジャンヌのおかげなんだ。
「離してよ、手が冷たい」
「嫌だ離さない、暖かいから。ねえ、鉄の腕でも、ジャンヌの暖かさが伝わってくるよ。優しさが、心に伝わってくるよ」
知らぬ間に、私はぼろぼろ泣いていた。やけに涙脆くなった気がする。
「どこまでも恥ずかしい奴だなあ、もう」
「恥ずかしくていいもん、ジャンヌが許してくれるまでずっとこうしてるもん」
「あーあ、なんだかなあ。意地張る気も失せちゃったわ。あー馬鹿だ。あたしまで馬鹿になっちゃう」
「あっ」
「ホント…バカなんだから」
ジャンヌの唇が、私に近づく。やだ、なんて濃ゆいラブコメ展開。私ノーマルだけど、これこそ私の求めていたものだわ!
「ジャンヌ…いいよ」
そっと目を閉じる。ああ、幸せ。
「そっか。じゃあ歯食い縛れクソバカ」
「は?」
愚地克巳ばりの正中線四連突きが決まり、私は宙を舞った。
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