騎士の章 Ⅰ

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後日談。 いやー、それからの彼女達の私への扱いなんだけれど、もう非道い事非道い事。 三人は、私が如何に馬鹿なのかを一昼夜に渡りこんこんと繰り返し、反省が足りないとリハビリ中の身にも関わらず魔獣狩りに連れ出した。 朝食は私の当番になったのだけれど、何と言うか、曲がりなりにも名家の出である私に料理なぞ出来るわけもなく、一生懸命作った目玉焼きは地獄の目玉と評されている。最近では麻痺用の罠に使われている始末。 そんなこんなで終身名誉ポンコツ女の称号を頂いた不肖私なのだけど、そろそろ旅に出たいと思う。 アクセル団長や、クロウ君、それに子供達。彼らが無事なのかも、未だ解っていない。 そして何より、姫様の事。私はあの方に命を救われて以来、絶対の忠誠と信頼を置いてきた。 だから、まだ納得が出来てない。何故姫様は、彼の騎士を地上へ?団長を殺そうとしていたのは何の為?あの召喚獣は本当に姫様が? 考え出すと、疑問は尽きない。ならば私の征く道は一つ。姫様に直接、問い質す。 地上から浮遊大陸へ渡る方法は二つ。一つは姫様の飛空挺、もう一つは、竜の背に乗り大空へ。どちらも難しい事ではあるけれど、私達ならば出来ると信じている。 そう。戦乙女の矜持、今こそ見せる時なのだ。 準備を整え、浮遊大陸へいざ征かん!
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