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「で、今日はなんの用だよ。書簡には時間しか書いてなかったぞ。ちゃんとしろよバカ野郎」
バカ野郎はお前だ。クリスさんになんて事を言うのだ。
「ごめんなさい、最近はこのあたりも賊が増えて来まして。城に関する事を外側に出すなと…。ああ、そうだ、クロウ君」
はっ。
「はい!なんでありましょうか!」
まさか僕に話を振ってくるなんて!今日は何ていい日だ!神父、全部許してあげます。
「そういう訳だから、少し外してもらってもいいかしら?もう本当、最近お偉い様方が五月蝿くて」
「は…はい、わかりました」
神様なんていない。
___
「あーあ」
結局彼女達はそのまま城へ向かってしまい、あのクソヒゲは「子供達の面倒ちゃんと見るんだぞ、喧嘩しちゃだめだぞ!」とクリスさんの目の前で言い放ち、僕に屈辱だけを与えて行った。
騎士達の笑い声と、アクセルのにやけ顔。思い出すだけで腹立たしい。
ただまあ、クリスさんが思わず微笑んだ、あの表情を見れただけでも少しは救いがあると言うものか。
「完全に道化だなあ、僕。何やってんだろ」
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