黒の章 Ⅱ

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「ちょっと兄さん、顔ぐりぐりしないでっ、あんっ!」 我慢してくれ、シャルロット。君の魅力を伝える為に仕方ない事なのだ。決して僕がやりたいからやっている訳ではない。 「もう、いい加減に…んんっ!」 いい、いいよーその表情、たまらん!もっと、もっと触らせてくれ!僕に総てを曝け出してくれ! はっ。 「おにーちゃん、さいってー」 夢中になっている僕を、マリーが蔑んだ目で見つめていた。あかん、これはゴミを見る目や。腐った生ゴミを捨てる時の目や。 「お、起きたか。さっきは済まねえな、手荒な真似しちまって…」 マリーの後ろから、さっきの白髪野郎が現れる。まさか、今度は彼女を人質に! 「手前え!マリーから離れろ!」 僕は臨戦態勢に入る。幼女を人質に取るとは許せん、ロリコンの風上にも置けぬ外道者め! 「おにーちゃん、この人おとーさんの友だちだって」 「君まで何を言うんだ、おとーさんの友だ…何だって?」 「カイト父さんの知り合いらしいのよ。ほら、父さんのペンダント」 シャルロットが囁く。男の胸元に、親父が肌身離さず付けていたペンダントが光る。 「…分かってくれたか?」 男が苦笑する。 「…話くらいなら、聞いてやらんでもない」
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