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「よし、みんな揃って」
む、一人足りないな。
あいつめ。最近少しはしっかりしてきたと思ったらこれだ。年上としての自覚が足りないぞ。
「シャルルを起こしてくるよ」
僕は寝室へ向かう。
爽やかな木漏れ日の中、彼女は気持ち良さそうに眠っていた。
「ふむ」
全く、仕方のない奴だ。こいつは朝が弱いからなあ。そんなことだから背が伸びないんだ。もう十四歳になるのだから、そろそろ一人で起きられる様にならないと。僕が何時迄も起こしてくれると思うなよ。
本当に仕方ない。仕方ないから、目覚めのキスをしてあげよう。決して僕がやりたくてやっている訳ではない。決して。
「うぅん…兄さん、何してるの?」
唇まであと数センチといった所で、彼女が目覚める。
くそっ、惜しい!もう少しだったのに!
「何って、君を起こしに来たんじゃないか」
「ん…おはよう。あの、兄さん、顔が近いわ」
「そんな事はないさ。眼鏡を掛けていないから、距離感が狂っているんだろう。もうすっかり朝だよ。さ、顔を上げて」
「ふみゃ…」
いけるかもしれない。
「___痛ってえええええ!」
僕の股間に激痛が走る。誰だ、こんな洒落にならない事をするのは!
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