黒の章 Ⅱ

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「うわきもの」 「マ…マリー」 「わたしというものがありながらー!」 「ま、待て、誤解だ!マリー、僕は君を心から愛している!信じてくれ!」 「兄さん、そうなのね…私のことはどうでもいいんだ」 「そんな事はない!シャルル、君の事は僕が一生面倒を見る!と言うか、こんな時だけ乗ってくるんじゃない!」 「おーにーいーちゃーん!」 「ひいぃ!」 ___ 「平和でおじゃるなあ」 「もう慣れたけど、あれ絵面だけ見ると完全に変態だよなー」 「本人はハーレム系の主人公目指してるらしいけどね。お笑いだ」 「都条例に引っかかるでおじゃる。今の内に去勢するべきでおじゃる」 「お前ら、僕を何だと思ってる」 マリーに引っ掻かれ、生傷だらけの僕を蔑視する三人。何時もと変わらない一日の始まり。 崩れ落ちる事なんて、無いと思ってた。 「こんにちはー」 朝食を作り終えた頃、だったろうか。 優しげな女性の声が響く。 「珍しいな。二日も続けて来客なんて」 こんな辺鄙な場所までご苦労な事だが、神父絡みの用件なら、申し訳ないが引きとって貰うしかないかな。 「ちょっと待ってろよ、お前ら」
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