プルプル

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石榴の果実は人肉の味に似てるという。 徐々に固まっていく、元は睦子だった赤い物体に触れてみた。皿の上に乗ったゼリーのようにプルプルとした感触だった。 これがプルプルの正体で、タブーを犯すと自らがプルプルになってしまうのか? 「ニー」 猫の鳴き声が近くで聞こえ、顔を上げた。開けっ放しの窓の外に黒ずくめの服を着た老人が佇んでいた。 真っ白な長い髭を蓄え、コートの襟元にはエメラルドの三つ葉が光る。 黒猫が窓を飛び越え、僕の横を通り過ぎ、床に広がった睦子の残骸をぺろぺろと舐めだした。 「人間とは欲深き生き物なり」 老人の背景に広がる青空のように澄んだ眼が、そう僕に語り掛けた。 僕は床に座り込んだまま、瞬きすら出来ずに、ただ黒猫の行動を目で追っていた。 外にいたはずの老人が目の前に現れ、僕の顔を覗き込んだ。 睦子が言っていたように、人懐っこい笑みを浮かべて訊ねる。 「ステキな夢が見れる魔法のお菓子はいらんかね?」 「プルプル* 完」m(__)m
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