プルプル

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トランポリンのように何度か弾んだ後、目を開くと、そこは真っ白な世界だった。 頭上から優しい光が僕に降り注いでいて、ほんのり暖かい。ここは天国かと思った程だ。   起き上がってみると、大きなクッションだと思ったものは果てしなく続く地面で、全てが真っ白なので、この空間がどれくらいの広さなのか、遠近感が掴めなかった。   地面に手を付く。不思議な感触だった。ウォーターベッドよりも、パウダービーズよりももっと柔らかくて、プルプルとした……あぁ、だからプルプルなのか……   そう思った瞬間____僕は現実に引き戻された。   目を開くと、僕はベッドの上にいた。   カーテンの隙間から朝の日差しがこぼれている。……全て夢だったのか?むくりと起き上がると、床にプルプルの包装紙が落ちていた。   夢じゃなかった。口の中に広がっていた果実の味は、いつの間にか消えていた。 頭の中が妙にすっきりとしていて、体がとても軽かった。 窓を開け、朝の凛とした空気を吸い込む。目の前に広がる世界がキラキラと輝いて見えた。   これがプルプルの力なのだろうか?
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