第1章~始まり~

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鈴音の部屋は一人部屋で広々としていた。 部屋の左隅に机。 机の左には窓、後ろにはベッド。 ベッドの足元には本棚。 本棚の左がドア。 ドアの左がクローゼット。 壁紙は真っ白。 カーテンは水色。 鈴音は自分の部屋が凄く気に入っていた。 部屋に入ると早速買ったばかりのノートを広げた。 「何書こうかな…」 時刻は昼過ぎ。 太陽はまだ燦々とアスファルトを照らしている。 季節は夏。 鈴音はクーラーを効かして涼しんだ。 珍しく小説のネタが浮かばない。 どうしようかなぁ、と思っていた時、姉が帰ってきた音がした。 急いで鈴音は部屋を出て玄関に向かった。 「ただいまぁ…外暑いわ」 「おかえり、お姉ちゃん」 両親は共働きで帰宅は深夜。 だから姉の清音が晩御飯の買い物をしてきたのだった。 「今日はハンバーグにしようと思って」 清音は買ってきた物を冷蔵庫にしまいながら言った。 「ぁ、お姉ちゃん」 鈴音はふと清音にネタが無いか聞いた。 すると清音はあっさり答えた。 「今の季節ホラーでも書けば?」
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