伝説の仕事人

4/7
前へ
/398ページ
次へ
駆けてきた小柄な女子生徒は碧羽のサークルの後輩である。 「どうしたの?」 碧羽は自分の前で肩で息をする後輩にお昼ご飯のオカズを箸で掴みながら問いかける。 「次の大会に向けての準備をするから明日の昼休みの時間に部室集合って部長が言ってたはずなんですけど?」 「あ」 碧羽はポロリと箸で挟んでいたオカズを落としてしまった。 「ほら、行きますよ」 「あー、悪い。ちょっと寝不足で疲れてて…休みたいんだ」 後輩は呆れ顔で碧羽を見た。 「分かりました。部長には私から言っておきますから。放課後必ず来てくださいね」 碧羽は少し考えてから 「ごめん。今日 放課後も行けない。仕事が」 と言った。 「仕事ですか?先輩バイトしてましたっけ?」 「まぁ…ね」 「はいはい。分かりました。言っておきますよ」 「ごめんな」 「大丈夫ですよ。いつものことだし…。大会までに部室に顔出してくださいね」 後輩はそう言い来た道を戻って行った。 「午後の講義は一つだし、講義終えたら帰って銃のメンテしなきゃな」 碧羽は呟いてお昼ご飯をたいらげた。
/398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加