第7章 禁断の欲求

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僕を陥れようとしている 小生意気な少年の戯言に過ぎないのに。 「なるほどね」 なんだか 痛く身にしみるからイヤんなる――。 「ほら、急に太陽を見た深海魚の目が潰れるのと一緒だよ」 「深海魚にもともと目なんかないだろ?」 「例えばだよ、例えば――」 由良は皮肉めかして笑うと 「ま、少なくとも僕は、あんたの健全さに傷つくような玉じゃないけどね」 海風に煽られるようにして立ち上がった。
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