第7章 禁断の欲求

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「ひどい言われよう。元はと言えば、みんなあんたが悪いのに」 「僕のせい?」 真顔で驚く僕を見て 由良はクククと喉を鳴らして笑った。 「そうさ。先生のせいだよ。僕からサチ兄さんを奪ったから」 屈折した光。 梅雨時の晴れ間は虹色だ。 「サチ兄さんはね、僕の良心そのものだったわけ。ほら、前に先生に聞いたことがあったでしょう?性善説と性悪説の話」 人間は生まれながらに善か――。 はたまた生まれながらの悪か――。
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