第7章 禁断の欲求

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第7章 禁断の欲求

僕の手から 溶けたアイスが流れ落ち 地面にぽたぽたとまだらな染みを作る。 「先生はさ、きっとサチ兄さんには健全過ぎたんだ」 気だるげに目を細め 由良は爪先でつうっとその染みをなぞった。 「健全?」 「そう」 斑点が滲んだ線になり 真っ白なコンバースの靴先が淡く染まる。 「それが――あんたの残酷さのすべてさ」
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