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「あなたね、思ってる事は言わないと。それ、良くないねぇ。べらべら喋る男は価値無しだけど、あなたの場合は喋らなさ過ぎ!でもまぁね、それがあなたの良いとこでもあるんだけどね」
けなしてるのか褒めてるのか、どっちだ?
「ま、微妙~だね」
微妙~?
「まぁいいさ。要するに、あれはあなたの運命の相手じゃ無かったって事だからね」
「運命の相手?」
「そうよ。すべてを語らずともちゃんと解り合えるっていうね。そういう運命の相手が誰にでも一人だけいるんだね。
ただ、その相手と出逢う前にちょくちょく捻じ曲がっちゃうんだな。まぁ、何度か捻じ曲がってくうちに出逢えたりもするんだけど、中にはそのまんま、捻じ曲がった相手と一緒になっちゃう事もあるね。
その結果、別離しかなかったり」
「離婚、とか?」
「そういう事。お互いが捻じ曲がったまんまだと、出逢えずに人生終わっちゃうね。悲しいかな、その確率はすこぶる高いんだな」
だから、離婚率が高いのか。
「そういう事だね」
また勝手に…。
「だってわし、占い師だもん」
だもん?だもん、て、爺さん、歳幾つだ?
「さぁねぇ、幾つになったっけなぁ。ま、二十歳は超えたね」
「当たり前でしょ!」
「わはは」
「あの、俺、いや、僕、これから仕事なので失礼します」
「うんうん、毎日ご苦労さんだねぇ」
「いえ…」
「では、がんばる君にこれをあげよう!」
どっかのコマーシャルのMCみたいな事を言いながら、爺さんは一冊の雑誌みたいな本を出してきた。
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