第2章

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「あなたね、思ってる事は言わないと。それ、良くないねぇ。べらべら喋る男は価値無しだけど、あなたの場合は喋らなさ過ぎ!でもまぁね、それがあなたの良いとこでもあるんだけどね」 けなしてるのか褒めてるのか、どっちだ? 「ま、微妙~だね」 微妙~? 「まぁいいさ。要するに、あれはあなたの運命の相手じゃ無かったって事だからね」 「運命の相手?」 「そうよ。すべてを語らずともちゃんと解り合えるっていうね。そういう運命の相手が誰にでも一人だけいるんだね。 ただ、その相手と出逢う前にちょくちょく捻じ曲がっちゃうんだな。まぁ、何度か捻じ曲がってくうちに出逢えたりもするんだけど、中にはそのまんま、捻じ曲がった相手と一緒になっちゃう事もあるね。 その結果、別離しかなかったり」 「離婚、とか?」 「そういう事。お互いが捻じ曲がったまんまだと、出逢えずに人生終わっちゃうね。悲しいかな、その確率はすこぶる高いんだな」 だから、離婚率が高いのか。 「そういう事だね」 また勝手に…。 「だってわし、占い師だもん」 だもん?だもん、て、爺さん、歳幾つだ? 「さぁねぇ、幾つになったっけなぁ。ま、二十歳は超えたね」 「当たり前でしょ!」 「わはは」 「あの、俺、いや、僕、これから仕事なので失礼します」 「うんうん、毎日ご苦労さんだねぇ」 「いえ…」 「では、がんばる君にこれをあげよう!」 どっかのコマーシャルのMCみたいな事を言いながら、爺さんは一冊の雑誌みたいな本を出してきた。
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