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「これね、カタログ」
「カタログ?通販の?」
「そうそう。でも、そんじょそこらの通販カタログじゃないよ?ただのスケベには何も見えないように出来てるんだよねぇ」
「……」
「ま。信じられないのは無理ないけどね」
「……」
「いつでもいいよ。騙されたと思って見てごらん。ただし!一人の時に限りだよ?あとはカタログの指示に従うだけでよし!
で、さっきも言ったけど、スケベ心じゃこのカタログは役に立たないからね。こいつは心を読むからね」
自慢げに胸を張り、言うだけ言うと爺さんは、あっち行け、しっしっ!とまるで蝿を追っ払うように手を動かした。
「ほれ、お仕事お仕事!行って行って!」
こうして俺は訳の解らんまま爺さんに追っ払われ、左手に鞄、右手に爺さんの言うところのカタログ、を持って歩き出したのだった。
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