第2章

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「相澤さん、おはようございます。今日は良いお天気ですね。昨日の雨が嘘みたいです」 「あ、おはよう。うん、そうだね」 「お天気クマさん、着てませんでしたね、レインコート」 「うん、着てなかったね」 くそぉ、今日も可愛いぜ~。 ニヤけ顔を噛み殺しながら言葉を交わす。 そう!そうなんだ! なんでかわからないけど、この春頃から徳田さんが話かけてくれるようになったんだ! 最初は、まさか俺じゃねぇだろ、って素通りしかけたんだけど、間違いなく俺に向けて、だったんだよね。 で、今も毎朝、声をかけてくれるんだけど。 「相澤~。徳田さん、おまえに気があるんじゃねぇの?」 同僚達には冷やかされるけど、俺は断じて信じない。 何故ならこいつらが、調子こいてフラれる俺を見たがってる、なんて事は百も承知だ。 その手には乗らねぇからな!
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