第2章

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両腕を伸ばしてググ~ッと伸び、ついでに大欠伸を一発。 それから立ちあがり、廊下に出た。 エレベーター脇にある自販機で、『濃厚。黒カフェ』というコーヒーを、ミルク・砂糖抜きで抽出。 『やけどにお気をつけください』という点滅表示のあと、慎重に取り出す。 挽き立て珈琲の良い香りを撒き散らしながら自席へ戻ると、鞄からはみ出た、例の『カタログ』が目についた。 そういや爺さん、一人の時に見ろ、とかなんとか言ってたな。 今は人の出払った昼休み。 残っているのは俺一人…。 ちょっと見てみるか…。 そんなお気楽気分で開いてみた。 が、な~んにも書いてない。 ただの、ちょい小さめのスケッチブックみたいなもん。 なんだ?これ。 なんも書いてねぇじゃん。 やっぱ爺さんにからかわれたか~。 なんだよ、と舌打ちしながら閉じる時、チラッと文字が見えた。 ん?さっき、あったか? 再び開く、2ページ目。 『あなたの理想の恋人は?』 なんだ? このページなら最初に見たぞ? 白紙だっただろ? 『だ~か~ら~。あなたの理想の恋人は?てば!』 うわっ! 声こそ出ないが体が固まる。 な、な、な、なんだーーーーーっ!
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