第2章

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『鉛筆でもペンでもなんでも結構です。あなたのお名前をお書きください。』 指示通り、手元にあった黒いボールペンを手にとった。 『相澤怜』 すると、『あいさわ、れい?』と文字が浮かぶ。 「いや、あいざわ、りょう、です」 『書いてください。』 「あ、はい…」 『あいざわりょう』 『あいざわりょう。OK?』 「はい、OK…」 再び、カタログに向かって答える。 近くに人がいたら間違いなく変人扱いだ。 『では、生年月日をどうぞ。』 『昭和』 『西暦でお願いします。』 「西暦?えっと…」 『1982年5月5日』 『牡牛座。現在29歳ですね。』 「はい…」 『血液型は?』 「あ、Oです」 『書いてください。』 『O型』
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