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Ⅲ
「おはようございます」「おはようございます」
今朝も涼しげな声がロビーに響く。
「おはよう」
「おはようございます」
徳田さんはそう言うと、続けて口パクで、
(ありがとうございました)と言った。
やっぱ可愛いな~。
で、デスクにつくと、すでに瀬崎が来ていた。
瀬崎のデスクは俺の隣。
いつも時間ギリギリなのに珍しいこともあるもんだ。
「今日は早いじゃん」
「まぁね~」と、意味ありげににんまり。
「朝までデート?」
「おかげで寝不足だぜぇ~」
「へいへい」
そう言いながら、面識のある瀬崎の彼女の顔を思い浮かべる。
確か、ここも付き合い長いよな。
俺達、同期入社だけど、その時すでにいたもんな、彼女。
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