第4章

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Ⅲ 「おはようございます」「おはようございます」  今朝も涼しげな声がロビーに響く。 「おはよう」 「おはようございます」 徳田さんはそう言うと、続けて口パクで、 (ありがとうございました)と言った。 やっぱ可愛いな~。 で、デスクにつくと、すでに瀬崎が来ていた。 瀬崎のデスクは俺の隣。 いつも時間ギリギリなのに珍しいこともあるもんだ。 「今日は早いじゃん」 「まぁね~」と、意味ありげににんまり。 「朝までデート?」 「おかげで寝不足だぜぇ~」 「へいへい」 そう言いながら、面識のある瀬崎の彼女の顔を思い浮かべる。 確か、ここも付き合い長いよな。 俺達、同期入社だけど、その時すでにいたもんな、彼女。
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