第2章

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とまぁ、そんなこんなで一週間7日のうち、5日はここ、『マナティ』で朝食をとる訳です。 この『マナティ』とはあれですよ。 カイギュウ目マナティ科の哺乳類で、体長およそ4メートルのジュゴンに似た水中生物。 水草などを食し、尾と前肢はひれ状、後肢は退化。 アフリカ、アメリカ、アマゾン・マナティの3種類が生息しており、ワシントン条約により保護されていると言う、あの『マナティ』。 やけに詳しい? そりゃ~もう、ここのマスターから耳タコぐらい聞かされた話なもんで。 実はここのマスター。 遡ること7年前。 ちょうど、ここにカフェを構えた翌年に、アメリカ・フロリダ州を旅した事があるそうで、その時、『今クリスタル・リバーへ行けば、冬越えにやって来ている野生のアメリカン・マナティに会える』と聞いてスキューバダイビングに初挑戦。 そこで出逢って恋に落ちたんだとか。 「俺の天使!いや、女神!癒しなんだよ~!」と仰る。 そして、今でも毎年夏になると、必ず2週間ほど店を閉め、一人ウキウキとクリスタル・リバーへ出かけて行くのです。 さすらいの男旅…らしい、が、まぁ要するに、嫁どころか彼女無し、つーことなんだと思うけど。 …というのは口が裂けても言わないけど。
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