第2章

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で、話を戻すと、確かに癒されると言えば癒される。 だからと言って、マナティ写真を引き伸ばし、店の壁一面を埋め尽くすほどか?と思ったりもするんだが、毎朝ここでボーッ、と思考を解放していると、だんだん海中でゆらゆら漂ってる気分になってくるから不思議と言えば不思議。 これがマスターの言う『海の神秘マジック』とかいうやつなのかもしれないな、と思う今日この頃なのである。 そんな店内とマスターの動線を視界に留める事が出来る窓際の俺の指定席は、大通りからさらに2本奥まった洒落た裏通りに面した場所にあり、周囲には、カフェグルメ本やら隠れ家風ダイニング本やら、そういった雑誌に載っている店が多く存在している。 ちなみに、ここの真向かいの店はフラワーアレンジのセンスの良さで評判の花屋。 花なんて興味のない俺にはわからないけど、この店、頻繁に雑誌に載るほどの人気店なんだそうな。 そのせいか、ビジネス街であるにも関わらず祝祭日も営業していて、スタッフ達の朝はすこぶる早いのだ。 いつ見ても忙しそうだな~。
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