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そんな俺に返ってきたのは、
「こんなの普通だって。直ちゃんはマジメだからなぁ……。
でも直ちゃんもちょっとは遊べば良いのに。
俺らどうせ、親に決められた相手と結婚すんだろうし。
良かったら紹介すっけど…」
なんていう、
なんもかんも諦めたような現実的な言葉だった。
「拓哉は、それでも良いのかよ?」
真意を確かめたくて聞き返せば、
「まぁ、会ってみてじゃねぇとなんとも言えねぇけど……、仕方ねぇんじゃねぇの?」
やっぱりそんな言葉が返って来て、
なんとも虚しい気持ちになってしまった。
結婚相手くらい自分で決めた相手じゃねぇとーー
「俺は、嫌だけどな…」
思わずポロリと本音を零してしまったが、
「ん? なんか言った?」
幸い拓哉には聞こえてはいなかったようだった。
「拓哉、行くぞ?」
「お、さっすが直ちゃん。ラッキー!」
虚しい気持ちを払拭するために、
調子の良い拓哉を連れて夜の街へと繰り出した。
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