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思えば、 高校の頃から、 俺は何一つ五十嵐海翔に勝ったためしがなかった。 俺たちが通ってた高校は、 私立で芸能人も通うくらいのとこだった割りには、 そこそこ偏差値の高いことでも有名な進学校だった。 俺も悪い成績ではなかったが、 そこでアイツはいつもトップクラスの成績で、 オマケに無駄に整った顔が鼻につくほどの、超イケメン。 そんなヤツが女にモテナイ訳がない。 なのに、 アイツときたら、 いつも面白くなさそうな表情(カオ)をしてた。 まるで、何もかもが煩わしいっていうように……。 俺は初め、そんなアイツのことが嫌いだった。 けど、 話してみると不思議と気が合い、よくツルムようになっていった。 その頃だった、 アイツの母親は有名女優で、おまけにシングルマザー、 そんな複雑な家庭環境のせいで他人と距離を置いているって知ったのは……。 そして、 三年の大学受験間近、俺の親父が急病で倒れた時、アイツが俺の腹違いの弟だと知ることとなった。
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