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*松岡直樹side* 週明けの月曜日、 流石に朝は気まずそうな態度の黒木ではあったが、 特に仕事に影響が出るようなこともなく、 いつも通り与えた仕事をキッチリと几帳面に熟(コナ)していた。 相変わらずツンとしてはいるが、 アイツなりに仕事に一生懸命取り組んでいるんだろうと思う。 まぁ、まだ入社して二月なんだし、 これから少しずつ良い意味で慣れてくれば、 自然に肩の力を抜くことを覚えていくだろうし。 それまでは上司である俺が気を付けてやらないとな…… なんて、 面倒見の良い上司みたいなことを思いつつ、 そんな黒木の姿にホッと胸を撫で下ろしていたのもつかの間、 以前から決まっていた出張の準備に追われて、 バタバタと慌ただし時間を過ごしていた。 黒木にはある程度の仕事は一通り教えてはいるのだが、 そんなに直ぐにできるような仕事量でも内容でもない。 そのため、 不在の間は、試験室で勤務しているベテラン社員に黒木への指示を頼むことにした。 それに、 同じ仕事であっても、 俺のやり方を押し付けるんじゃなくて、 色んなやり方や考え方があるってことも知ってて欲しいからだ。
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