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*** 会社を出て、 助手席に黒木を乗せて車を走らせてるんだけど、 さっきまであんなに突っかかってきていた黒木が、 静かすぎて落ち着かない。 別に、 上司と一緒に居るからって、 あれこれ気を使って話をしろとは言わないが、 ムスッて表情(カオ)をしたままで黙っていられると、 上司である俺が無理やり嫌がる部下を付き合わせているようで。 なんとも情けないような、 いたたまれない気持ちになってくるし。 上司である俺と居るのが…… そんなに面白くないのかよ? なんてことまで思ってしまう。 まぁ、 ちょっと強引だったし、 怒らせてしまったのかもしれねぇけど……。 それに、 アイツ(相川)には断ったものの、 黒木のことを紹介しろと言われたことを思い出してしまって。 黒木の気持ちも確認することなく、 勝手に断ったことに、 若干の後ろめたさを拭えないでいるからかもしれない……。 相川の話では、 一度だけ電話で話したことのある黒木のことが、何故か気になっていたようで。 それを、 たまたま仕事で出向いていた俺の従兄弟であるチャラ男拓哉に言ったところ、 さすがチャラ男拓哉、 すぐに黒木の写メを見せてもらえ、 中身は別として見場の良い黒木に一目惚れしてしまったらしいのだ。
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